突っ走る

何年か前から始めたブログリレーですが、
今回からのブログリレーで新しいシリーズに入り、
まずは「せとうち大工・修行編」テーマは「志す」（こころざす）となります。
3編各３つのテーマで、９つのお題を11人で繋げていきますので、
かなりの長丁場となりますが、宜しくお願い申し上げます。

「突っ走る」

僕の修行の始まりは30年ほど前になるので、
昔話のようになった場合は御容赦ください。
正直、日々の雑踏に巻き込まれ、忘れかけていましたが、
当時志していた事を綴ろうと思います。
２０歳から親方である、父の元で修行を始めました。
当時「大工を目指しています！」というのが恥ずかしく、
建築家になりたいとか、大工家になりたいとか
肩書きの名前ばかりにこだわっていたように思います。
今はあえて「自分は大工です。」と言っていますが（笑）
そして志していたのは、「自分で設計し自分で建てる事が出来るようになる事」
そのために図面を模写し、軸組模型を作り、仕口や継手のサンプルを作って勉強し、
週末に休みが取れたら深夜出発のジャンボフェリーに乗り込み関西に行き、
京都の町やお寺を散策する日々を送っていました。
廻りは見えてなかったかもしれませんが苦しくも楽しい日々でした。
ただ2年が経ち、後々思うと闇雲に突っ走っていただけの2年で、
父親とふたりだけの修行に嫌気がさしていたのも事実でした。
挫ける寸前まで来ていたのかもしれません。
そんな時に、僕が今も大工を続ける事が出来ている
感謝すべき大事な出会いがありました。

続きは次回の講釈で！
この言い回しに聞き覚えのある人は同世代？（笑）
次回も読んで頂ければ有難いです。

写真は、17年前に杜に木を植え、6年前に茶室が出来、
今年竣工した建物のデッキから杜の新緑を感じる事が出来る眺めです。
何事も育つまでには時間がかかるのかな？

大工・六車俊介