2023-07-24
目指す背中
先日、6月に竣工を迎えた高松のギャラリー「たかすの杜(seed・蓮のうてな)」がオープンし、美術家・望月道陽さんの個展とリュート奏者・つのだたかしさんによる演奏会が開かれ、参加する機会をいただきました。微力ながらも携わることができた空間、お客さまへのお披露目の場という緊張感がこみ上げます。高松の中心地とは思えない静寂の中、つのださんの奏でる素のままの音色が透き通るように会場全体を包みます。更地だったころを思い返し、カタチになった安堵で心がいっぱいになりました。壁面には望月さんの大きな作品が並び、自然から受け取った色合いと繊細なタッチで、この場所に集う人々を温かく見守っているようでした。約1年半の間、ご尽力いただいた職人さん、デザイナーさん、ほか携わっていただいた方々にこの喜びが伝わっていることを願います。このチームで竣工を迎えられたこと、とても誇らしく、心に残る1日となりました。
たくさんの手と知恵が合わさりひとつのカタチとして空間が生まれる。培った経験を味方につけた迷いのない動き、つよい信念を感じ、小さい頃からそんな職人さんの手を見ることが好きでした。今は、建築に限らず、作り手と使い手を繋ぐ窓口となるような存在を目指したいと思っています。
香川に渡って3年目、まだまだこの世界には足を踏み入れたばかり。社会の欠片も知らないですが、有難いことにわたしの近くには、人として、職人として、目指したいと思える背中がたくさんあり、日々多くのことを学ばせてもらっています。目の前の道を探りながら、地に足つけて進んでいきたい気持ちです。
写真は、高松のギャラリー、庭から見た建前の様子と竣工間際の様子です。
街中に広がるオアシスのような場所になりました。
設計・生川
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