2021-06-23
精度
「ムク」… あるがまま、そのまま
例えば、木という素材をあるがまま、そのまま使おうとすると少なからず手を焼くことになるだろう。ある種の技術や特殊な道具が必要であったり、時間の流れを人の世界から自然界の流れにシフトさせる必要もある。
「自然に対する理解が必要」と、言い変えてもいいかもしれない。
その成り立ちに対する深い考察、時には手痛い失敗の経験だって「理解」へのバックボーンだ。
自然を大切に思う気持ちは自然に対する敬意につながる。
その時、自然と人の共生の可能性が見えてくる。
(共生とは言うが人が発するそれは常に片利共生の域から出ることは難しいのだが…)
「人もまた自然なのだ」という気づきにも似た認識は、これから展開するであろう世界を生きていく上でとても重要なキーになると思っている。
あるがままのあなた、あるがままの自分を認める。
「やさしさ」「豊かさ」「信頼」そして、えもいわれぬ「安心感」に包まれる
視覚優先ではない…つまり、表面だけを見るのではない。
奥の方から、そして存在そのものに意味を感じ、かけがえのないものに想う。
私たちの仕事は自然素材である木に対して精度を求める。
1㎜の何分の1の精度を求め続ける。
それは木が発する微かな声に全身全霊で耳を傾けることだと思っている。
六車誠二(設計)
次回からテーマは「自然乾燥」に変わります。
PS. インスタグラムを始めました。
https://www.instagram.com/architects_muguruma/?hl=ja
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一言一言に、心が震えます。皆様の言葉から一筋の光を灯して貰えます。有り難うございます。