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2021-06-10

素材とのやり取り

普段から主に家具作りで広葉樹無垢材を使っております。
材料として使える様になるまで手間と時間を要します、その一部をご紹介します。

素材とのやり取りで、いくつか素材とのアプローチがあります。

・原木(丸太)を購入して製材、乾燥を経て使用する方法。                     

・材木屋で、乾燥材(ほとんどが、人工乾燥材)を買って使用する方法。

私は両方とも使用しますが、特に原木購入した材は木口の年輪樹皮の状態からどんな木目が出るか予想します。製材の時予想がはずれて、節、腐れが出てくる場合もあります。

逆に思いもよらなかった美しい板が取れる事もあります。
美しい木目は自然が作り出した文様で、神秘性を感じる時もあります。

樹種にもよりますが、例えば栗などは灰汁が強い樹種なので、1年位水に浸けてある程度アク抜きしてから製材します。

製材は、どんな使い方をある程度決めてそれに合った厚さに、(大テーブルの天板などは厚さ60mm〜75mm)製材します。

その後天然乾燥は最低でも5年以上かかります。(場合によっては使う前に、低温乾燥します。

繰り返しになりますが、無垢材は製品化された、集成材やベニアと違って大変手間がかかる素材ですが、経年変化による樹種によって素材が持っているアクや油分が作り出す、深みのある艶は無垢材ならではの表情を見せてくれます。

近年、国産広葉樹の良材が減ってきている事を良く耳にします。
自分自身20年前に独立した当初、材木屋の土場に多くあった北海道産の水楢、楡、栓などは、今はほとんど見なくなりました。

貴重な資源、大切に使わせて頂きたいと思います。

上の写真は、先日製材したタブの木(椨の木)です。

端材で作ったキューブと円柱

後列左から、黒柿、オリーブ、栗

前列左から、栗、肥松、タブの木

山地裕之 木工

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