2021-10-13
職人
手に職をつける。
手刻みとはまさにこのこと。
自分で刻んだ材が組まれ、あるべき姿に納まる。
それには大きいも小さいもなく、自分の仕事が目に見える形になる達成感は手刻みでしか味わえない。
自然素材の自然乾燥材相手には手刻みが最適。
木には1本1本個性があるため、表情や木の動きをよまないといけないからだ。
手道具を使う手刻みで半年かかる所をプレカットなら数日で終わる。
コストも大幅に削減される。
手道具もいらなくなる。
使わなくなる。
使わなくなると使えなくなる。
使えなくなると仕事ができなくなる。
仕事ができなくなると職人が減る。
職人が減ると木組みの家は建たなくなる。
日本が誇る伝統木造建築は自然と調和の取れた文化遺産。
そんな日本の文化を守る意味でも手刻みは重要で次の時代を担う世代に継承しないといけない。
それは作り手だけでは解決しない問題。
それがこの時代の課題。
一人ではどうにもならない問題ではあるが、丁寧に一つ一つ真っ当な仕事をすることが今の私にできる事。
手に職をつけるため今日も研ぎに精を出す。
(写真:宇多津町の家、柱の手刻み時風景)
大工・長江
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