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2025-10-10

同期の兄弟子

影響を受けた人は数多くいるが、その中でも「尊敬」する人は少ない。

自分の思う尊敬できる人の定義としては人格者で身近な人。(よく知る人)

学生の頃は歴史上の偉人を尊敬していたが、それは尊敬ではなく憧れであったと社会人になって気付いた。

社会に出ると憧れる人や凄いと思う人ばかり。

親方を始め、兄弟子、弟弟子、設計士、他の職種の職人…。

六車工務店では県外から修行をとることが多い。

一人前になって地元に帰る人、独立する人、他の道に進む人…様々だ。

そんな方達の努力で今の工務店が成り立っていると思うと全員に敬意を払うべきだと思うが、その中で尊敬できる人が一人いる。

同じ時期に弟子入りした兄弟子だ。

朝から晩まで毎日何年も一緒に仕事に励むととても濃密な時間になる。

毎日近くで見ていたからわかることだが、仕事に対する責任感、誰よりも努力をする姿は周りからの信頼と信用が高く、家庭も大事にする人格者だ。

その兄弟子のエピソードを話す際にいつも昼弁当の話題になる。

毎日色とりどりの弁当を自分で作って持ってくるのだ。

仕事も家庭も多忙で毎日早起きして作っているものだと思っていた。

親方の口癖である「合理化」を兄弟子は弁当作りから実践していた。

実は休日の夜に一週間分のおかずを作っていたのだ。

月日は流れ自分も家庭を持つようになった今、当時の兄弟子の人間力の素晴らしさを感じるようになった。

今は地元に帰られ大工を楽しんでいるみたいだ。

そんな尊敬する同期の兄弟子とまたいつの日か一緒に仕事がしたいと思っている。

その時は色とりどりの弁当を持って。

(写真:墨付け、刻みと同時進行して野地板、床板も工務店で加工)

大工・長江

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