2025-03-04
時に耐える



時の流れに耐えたものは、ただちには得難い、尊い光を放つように感じます。
たとえそれが量産のものであったとしても、唯一無二の格を放つ。時が、それに触れた人の手が(人の心が)ものを育てるのかも知れません。
そのものが作られた時代に想いを馳せることはとても楽しく、クリエーティブなことだと思います。
その時代を多角的に知れば知るほど、そのものの輪郭が明確になる。
歴史を学ぶ、歴史から学ぶとはそういうことなのかも知れません。
スペイン・バルセロナにガウディ設計のサグラダ・ファミリアがあります。
1882年に着工し、ガウデイの死後も工事は続き、2034年の竣工を目指しています。天を目指し伸びる最後の塔の工事が進む一方、脚元では当初工事部分の修復工事が始まっています。
確かな素材、確かな技術だけでは時間に耐えることはできません。
そのものが人に愛されていることが必要なのだと思います。
正しく作られ(そして、愛され)正しく使われたものだけが、時間に耐え、時の壁を超えていくことが出来る。
私たち作り手の役目は「正しく作る」ことです。
写真は、既存の鉄骨を活かし、蔵から新しい機能を持つ建築への再生を試みる現場です。
次回からブログのテーマは、せとうち大工・職人編「励む」となります。
設計・六車 誠二
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