2024-03-08
表と裏

大工の先達として何かを伝える程たいそうな人間ではありませんが、これから社会人になろうとする学生に伝えたいことがあります。
それは表面に見えている物は表であって、裏の部分はわからないと言うことです。
ものづくりの世界しか経験してないので、大工の話しをしたいと思います。
大工の醍醐味はやはり建前だと思います。
建前は全ての努力の結晶で一番インパクトのある場面だと思います。(これが表だとします。)
設計から始まり、契約、材の加工、墨付け、刻みと長い時間をかけ建前にたどり着きます。(これが裏だとします。)
建前だけ切り取ると良い場面しか見えませんが、裏では様々な問題や苦労があります。
これは表面には現れることがないのでその世界に入らないとわからないことが多いです。
その問題や苦労は自分にとってプラスになることがほとんどで、そこにやりがいを感じますが、自分が思い描いた大工と違い最初は戸惑います。
建前を例に出しましたが、会社の体制や信念、目標、人間関係なども同じことが言えます。
六車工務店+六車誠二建築設計事務所ではインターンシップの受け入れをしています。インターンシップでその表と裏を知るのも良い経験になると思います。
熱心な学生を見るとこちらも身が引き締まる思いです。
(写真はインターンシップで学生が軸組模型を製作中の様子)
大工・長江
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