2022-09-30
光の道
すっかり秋のような日が短くなりました。
朝晩のひんやりとした空気に触れるたび、背筋がしゃんと伸びます。
古くから日本の家屋では生活の中に、光をどう取り入れるか、様々な工夫が凝らされてきました。
湿度が高く靄のかかった空気、季節ごとに変化する曖昧な光。
その場所の気候風土をよく感じ取り、風の道、光の道をつくっていく。
建具は、暮らしゆく時代、その土地に存在する(あるいは生み出された)技術と暮らしを直に感じられるツールのひとつでもあります。
和紙で空間を仕切ったり、細かい繊維で光を透かしたり、ガラスで視線を通したり、、、暮らしの数だけ選択肢がある建具。
世の中には便利で機能性の高いものはたくさん溢れているけれど、目の前にある素材と技術を使って、数ある選択肢の可能性を考えていたいです。
暮らし方に寄り添った、そんな道をつくれたらと思います。
写真は倉敷にある大橋家住宅の床の間。
大正ガラスの付書院から差し込む揺らいだ光です。
設計・生川
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