2022-07-04
民家型構法=若杉活用軸組構法
僕の建築との出会いは構法からかもしれません。
建築家の戸塚元雄氏と父であり親方の六車昭が協働して家作りをしていたのは僕が中学1年の頃、約35年前です。ふたりは週末には勉強のため各地に建物を見に行ってました。そこにお供させて貰っていたのが当時の僕です。車の後部座席で聞いていた、木の話、構法の話、当時はチンプンカンプンでしたが、何となく耳に残っていたのが、民家型構法と呼ばれる名前でした。1987年に渡辺定夫 + 田中文男 + 藤本昌也 + 平良敬一により発表された民家型構法。専門学校で本格的に建築を勉強し始めて分かったのは当時ふたりが目指していた建築は民家型構法で、それを香川で実践するために勉強していたのだとわかりました。学生時代、戸塚さんの書いた図面を模写していた僕は、いつしか民家型構法の虜になっていました。二級建築士の図面試験の時も、手本の図面は太鼓丸太の羽子板ボルトでとめるのか当たり前のような時代、僕の梁組は平角の材料を折置組で書いた矩計図でした。今から考えるとよく合格したなぁと思います(笑)
そして今は兄と2000年から協働して作っている民家型構法を経ての若杉活用軸組構法。20年経ちコツコツと積み上げてきた構法にこれからも磨きをかけていこうと思います。
と構法の話ばかりすると小難しく思われる事でしょう。ただ上記のふたつの構法で建てられた六車工務店の家は、戸塚さんや六車誠二が設計した家は、設備機器で得られる快適空間や表面的に飾られた建築とは違った、本当に木組が整理された美しい建物で、暮らしても落ち着く空間だと思います。
写真は刻みの様子です。整理された設計、きめ細やかな刻みがあってこそ、僕が感じる本当の美しく落ち着く家になると信じて日々精進しております。
大工 : 六車俊介
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