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2022-01-31

設計の意図を汲み取る?

一年で一番寒い時期になりました。
立春が過ぎればだんだん気温も上向きになってくるでしょう。
寒さももう少しでの辛抱です。

現在進行中の宇多津町の現場では大工の造作工事が進行中です。
リビングのパーティション(間仕切り)を取り付ける造作工事があります。
設計図面を見ると杉(高齢材)と書かれています。高齢材とは樹齢が100年ほどの天然杉の事をいいます。
天然杉と一言で言っても節だらけで荒々しく木目の曲がった杉もあれば穏やかで節の無い真っ直ぐで優しい杉もあります。
パーティションの位置はリビングの隅にありますがリビング、ダイニング、キッチンからもよく見えるこの家の大事なポイントです。どんな木をここにあてはめるかよく考えないといけません。
考えてもよく分からないのでハッキリと設計にどんな木をイメージしているのか聞きました。
設計からの返事は
大きな空間の右方にある事をイメージしてください。
おおらかでソフト。
上品ではなく穏やか!
どちらかというと左に曲がる木理!

大工はこの設計のイメージに合った材料を工務店の倉庫にあるストックから探します。なかなかの難題。ちょうど良い木目の板が見っかったと思ったら少し長さが短い・・・など苦労の末見つけた板はとても面白い木目。おまえに決めた!と心で叫び、丁寧に心をこめて仕上げていく。
この板は元と先がとても分かり難い。元とは木の根っこ側、先は木の先っぽ側。
親方からの教えで杉を縦に使う時は昔生えていた時と同じように元を下に先を上に使うように教えられている。
元と先を見分ける方法は木目や節の向きなどから推測する。
このパーティションの板は木目は逆に見えるが節の向きより確定。
パーティションの取り付けを終えて眺める。
イメージ通り左曲がりで天井を支えるゲートのようなパーティション。
とても気に入ってます。

大工・山下 佳太

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