2022-01-21
選ばれたもの
大寒が過ぎ、澄んだ空気に差し込む朝日に惚れ惚れする毎朝です。事務所の中庭の蝋梅は小さな蕾をつけ、春を待つように、花ひらくのを待っています。
工務店では日々、たくさんの木を扱っています。
ひと言で木と言っても、ひとつとして同じものはありません。
同じ樹種でも産地が違えば、特性はさまざま山で隣同士に育っていても、同じ特性とは限らない。
山に入り、どの立ち木を伐採するか。
伐採された1本の丸太からどのように製材するか。
製材された部材をどこに使うのか。
木が家になるまで、数々の場面で、木の特性を見極められています。言うなれば、いま身近に使われている木はすべて選び抜かれたもの。
機械の技術が発達し、木材も大量生産(プレカットなど)が可能となった時代。木をみて選ぶ「木取り」の技術は埋もれていくのかもしれません。
しかし、建物の強度や空間の美しさを求め続ける限り、その技術はなくてはならないものです。
材料ひとつひとつに思いを込めて選ぶことができるこれが鉄やコンクリートではなし得ない、木を使う魅力であるのだとおもいます。
写真は飛騨にある吉島家住宅の縁側の床板。
木目は空間の性格を形づくる大きな要素です。
設計・生川
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