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2021-08-30

なにができるか

夏の終わりが近づいて行く中、宇多津町の現場では竹小舞の上の荒壁が塗り終わろうとしている状況です。また、同時に進んでいる高松市の荒神さんは基壇が組み上がり、まもなく構造材を仮組み仮入れをしていく段階にまで来ています。

今回のテーマ「自然乾燥」についてですが、前述者達の記事でもありますが、対になるのは「人工乾燥」です。人工乾燥は近年研究が進み、様々な機械設備を用いて乾燥させます。それに対し、自然乾燥は人の力のみで乾燥(桟積み乾燥で(2017-07-30参照))させます。

山で伐採された生木を建築に使えるようにするまでの繋ぎとなる作業が乾燥です。自然のものには自然の力を。現在、再生可能エネルギーへの移行やカーボンニュートラルといった地球環境へ配慮する動きがここ数年で強まっています。半永久的な自然の力を借りる自然乾燥は木だけでなく、地球にも配慮された方法なのではないでしょうか。

山林にある木は、先人が次の代のためにと植えた木です。私たちは今使う番であり、次の代を想う番でもあります。森林国で大工を生業としている限り、木との繋がり(生産も含め)のことは考え続けなくてはいけません。

自然乾燥の木を使う選択肢として、木への負担の配慮や仕上がりのためだけでなく、未来のためにということも重要視したいです。

大工 : 菰渕

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