2021-07-21
環境の変化
森で育った木、生木は100-200%の水分を含んでいるといわれています。
木材を使用する際に乾燥する工程が必要なのは、空気中の水分量と木材の水分量の割合が平衡な状態になることで、安定します。
水分の含み方は樹種や固体差、部位によっても異なり、均質に乾燥させるには見極める技術が必要です。
人間もおなじく、身の回りの環境の大きな変化には大きな労力が必要です。対応するにはゆっくりと長い時間をかけて、手段を探るもの。
数日間、高温で乾燥させ、もとの環境に戻される人工乾燥では、表面は割れや収縮といった動きが最小限に抑えられる一方で、内部が割れてしまうこともあるようです。そうなると、本来の性質を変えてしまってるようにも思えます。
木材というものは膨らんだり、縮んだり、周囲の環境に対応しながら、動いています。
素材本来の性質を読み、可能な限りそれを活かすこと。
これは自然のものを扱う者にとって、必要条件であり続けるのだと感じます。この時代におけるその在り方を考えていきたいです。
背割りをいれて乾燥させた八寸角の杉材。のびのびとした力強さが伝わってきます。
設計・生川
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