まだまだだなぁー

立春が過ぎて、暖かい日もあるが、寒い日もまだまだあって、体調管理に気を使う日が続いております。

今回の『土と左官』というお題で、正直に言うと伝えたい文章がなかなか出てきませんでした。左官さんの仕事は、工務店のどの現場でもしっかりあるし、中塗り土を使った仕上げもしています。ただ竹小舞を編んで荒壁土を塗る現場は本当に減りました。

僕が修行に入った頃は、どの現場も竹小舞を編み、荒壁土を塗っていたし、お施主様にも土壁を要望されました。それが今では工期、単価、人材、材の供給、確認申請の大変さなどから激減しています。

社会から土壁が減った事により、ある現場で荒壁土を塗っていると、現場の前を通る子供に『なんで泥をつけておうちを汚すの！』と言われたりしました。昨年、無形文化遺産に左官仕事も登録されましたが、左官仕事の土壁を見た事も聞いた事もない子供達が増えているのが現実です。

だが、こんな社会に抗う様に、頑張って土を使っている人もいます。ワークショプを開いて土塗り体験を開いたり、学生と共に土壁をつけた建物を作ったりと！

自然素材を使う工務店と自負していますが、土壁を使う頻度は本当に少なくなり、まだまだだなぁーと反省しております。

大工　六車俊介