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2020-05-20

サラダのように…

コロナ禍である。

「地球は目には見えない無数の細菌やウイルスがバランスを保っている」と、山際寿一氏は言う…「そのバランスを壊すことが未知のウイルスを呼び出す…まずは自然破壊の手を緩めることだ」と。 サラダのように建築をつくりたいと思っている… 山野に出る…その日、秘密の場に芽吹いた命を摘み、集め、皿の上に盛り付ける。 素材の持つ力を最大限活かし、そこに最小限の手を加える。 仕上は「洗練」という名のドレッシング…ここに意味は求めない。 重油を燃して木を乾かし…切り刻み…再び接着剤で貼り合わせたものをエンジニアリングウッドと呼ぶことには疑問を感じる… 太陽の力で木を乾かし、最小限加工の無垢材で木を扱うことはシンプルかつエレガントな自然と人間の関係性のあり方だと思う。 人間はイノベーションを求めつづける存在であるが、ヤジロベエのように右に「自然」、左に「技術」を見つめつつ、中間でバランスをとりつづけることが職人の「スピリット」であると信じたい。

写真は、樹齢90年のヒノキ材、背割りを施し、およそ1年間の自然乾燥を行う。

設計・六車誠二

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