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2019-06-20

天然杉の机を据える書斎の施工が進行中です。

樹齢2百年を越えた杉材を天然杉と呼んでいます。永く歴史の刻まれた材料はどれも力強く、目の通った物も節のあるものも、部屋の力点となります。

机のほかの家具や天井に使われる杉は、表情を揃えて材料取りされます。もし部屋を庭園に例えるならば、水面の向こうに構えた滝のような存在に、天然杉はなり得ます。現場を見て、待ち遠しい住風景を心に浮かべます。

材料が役割を得て、そして大工の確かな目と手を通して建築に納まると、必要不可欠な存在に思われるものです。思索と向き合う場面など折りに触れ、雄大な年月を刻んだ相棒と過ごせる部屋なのです。

施主と大工、設計が顔を合わせ天然杉を選びました。さらにその場面で聞いた美しい喩えを紹介します。木目は川の流れだといいます。真直ぐな木目は水絶えぬ大河のよう。杉に節目があると、流れは分かれ細かな対流を起こし、川の上流のような趣きに見えます。

設計・山田 祥平

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