2018-06-20
テクノロジーの発展と大工
先日、大工が消えてしまうという記事を読みました。 大工がノミやカンナで木材を削り、穴を開け、柱や梁を組んでいく。家を建てると聞けば、そんなイメージを持った人も多いのではないでしょうか。しかし、今そうした現場はもうほとんどありません。昨今の木造建築の95%以上はプレカット工法です。プレカットとは工場であらかじめ機械で加工しておいて、現場ではほぼ組み立てるだけという工法です。コストカットや工期短縮、生産性に特化したプレカットがとても普及しています。また、プレカットの現場では、木材を逐一加工する必要が無くなり、現場での仕事は細分化され、大工の仕事は出来合いの部材を組み立てる仕事が大半だそうです。 しかし、リフォームの分野はプレカットだけでは難しいです。住宅の補修、改築の方法は一軒一軒異なります。また、既製品では対応できないものもあり、改築する場所以外の部分を傷つけずに施工する技術も必要です。 実際、工務店でもリフォームの仕事が多くなってきたように思います。しかし、せっかく木に囲まれた住まいを考えているのであれば、大工の技術で一つ一つの木材の個性や特徴を生かした、木の温かみを存分に感じられる住まいにしてみてはどうでしょうか。
大工・中矢駿佑
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