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2017-03-10

「スタジオ・ムンバイ」

スタジオ・ムンバイによる本邦初となるプロジェクトが
瀬戸内の地で静かに進んでいる。
幾人かのご縁が重なり、私たちは今、スタジオ・ムンバイの
ジャパン・ブランチというかたちでこのプロジェクトに参加している。
2月、一年で最も寒い日本から打合せのためインド、ムンバイへ、
最高気温は、5℃から一気に30℃に!
ムンバイ市内の喧騒渦巻く混沌のなかを潜り抜けるようにスタジオに到着。
そこは、端正なる異相の空間、静寂の世界。
おそらく世界中から集まったアーキテクト、インターンそして職人たちが
はたらき、図面、模型、モックアップがどんどんつくられ、
ところせましと並べられている。
スタジオの建物そのものは、いわば最初の実験場で常にいくつかのゾーンで
改装(実験)が進行中である。
ここでの建築的思考は、常にリアルな現実とともに歩んでいると感じる。
週末、ビジョイ・ジェイン氏とともに氏の作品を巡る。
ウスタヴハウス…コッパーハウス…パルミラハウス…
丸2日間、じっくり時間をかけてまわる。
夜は、ビジョイのセカンド・ハウスで半屋外の空間にイス・テーブルを運び、食事を取りながらの語らい、近作のゲストルームで2泊。
「大地からの素材を人の手で」
正しくつくられ、正しく使われている建築だけがたどり着ける地点
そうしたものだけがまとうことのできる気に包まれるしあわせ
今回の瀬戸内のプロジェクトのテーマの一端が垣間見えたような気がした。
が、決して簡単なことではないだろう。 ビジョイにこれからどんな建築をつくりたいか聞いてみた。
「スケッチのような建築」とやさしく微笑む
徹底的なスタディを重ね、その上で軽やかなラインにまで建築を昇華させていきたいと言っているように感じた。
さて、私たちチーム六車は、これから図面、模型、モックアップを
山のように描き、つくっていくことになる。とても人の手が足りない。
関心のある人は、ぜひ、私たちの門を叩いていただきたい。

設計・六車誠二

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