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2016-09-30

実測へ

先日台風が去った翌日、広島尾道へ実測へ出かけました。
志賀直哉「暗夜行路」、小津安二郎「東京物語」の舞台となった街です。初めて訪れたのですが、高松西ICから2時間ほどで到着しました。日帰りの旅にもおすすめです。午前中到着後、階段の街を上へと上り現場入り。リノベーション前の建物の実測、敷地観測、周辺地域の観察など楽しいひと時です。特徴的な立地環境はそこに住む人や動物たちの生活習慣も違っていて歩いていて飽きませんね。

実測図をおこす手順は、古民家再生を数年されていた所長より指導いただき、まずは、だいたいのスケールを決め絵を描きます。その後、測る人と記録する人の二人一組で進めていきます。実測は静かに進むので、鳥の声や海を行き交う船の音、蚊取り線香の香り(この季節は、ヤブ蚊がすごくいます・・・)の中淡々と行われます。測って行くうちに分かることがあり、増改築を行った建物には初期の施主と棟梁の人格、次の施主と棟梁の人格が見えてきたり、素材で年代の違いを感じたりと小さな発見の連続です。周りから見ると地味な作業ですが、結構楽しいものです。今回悪天候の中での作業でしたが、雨水の流れや、雨漏りの箇所、外構の状況など気づくところもあり良かったなと思います。最後は、測ったところの写真をいろいろな角度から撮り図面をおこす時に備え終了です。

設計・矢野裕子

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